2016.12.28 Wednesday

「この救いなき世界」イザヤ書9:1-7

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    <聖書>

    9:1しかし、苦しみにあった地にも、やみがなくなる。さきにはゼブルンの地、ナフタリの地にはずかしめを与えられたが、後には海に至る道、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤに光栄を与えられる。9:2暗やみの中に歩んでいた民は大いなる光を見た。暗黒の地に住んでいた人々の上に光が照った。9:3あなたが国民を増し、その喜びを大きくされたので、彼らは刈入れ時に喜ぶように、獲物を分かつ時に楽しむように、あなたの前に喜んだ。9:4これはあなたが彼らの負っているくびきと、その肩のつえと、しえたげる者のむちとを、ミデアンの日になされたように折られたからだ。9:5すべて戦場で、歩兵のはいたくつと、血にまみれた衣とは、火の燃えくさとなって焼かれる。9:6ひとりのみどりごがわれわれのために生れた、ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。9:7そのまつりごとと平和とは、増し加わって限りなく、ダビデの位に座して、その国を治め、今より後、とこしえに公平と正義とをもってこれを立て、これを保たれる。万軍の主の熱心がこれをなされるのである。

    口語訳聖書(1955年版) イザヤ書9:1-7

     ダビデとソロモンの時代に統一王国を形成していたイスラエルの民は、その後北王国と南王国に分裂する。やがて北王国はアッシリアという巨大帝国に脅かされるようになり、軍事力を用いて南王国に強制的な同盟を迫った。南王国はこれを拒否し、アッシリアに貢物を送り援軍を要請する。アッシリアはこれに応えて派兵し、北王国を滅ぼした。「ゼブルンの地、ナフタリの地」、「海に至る道、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤ」とは滅ぼされた北王国のことである。南王国も帝国の援軍にたよった「つけ」として、アッシリアの属州のような扱いを受けることとなった。

     「暗やみの中」、「暗黒の地」とは神と人に対する信頼を失った場所である。神に見捨てられ、祖国を失い、家族を殺され、同胞からは裏切られた。8:21にはこう書かれている。「彼らはしえたげられ、飢えて国の中を経あるく。その飢えるとき怒りを放ち、自分たちの王、自分たちの神をのろい、かつその顔を天に向ける。

     神への信頼を失う中で、互いを損ない、人間への信頼も失う。「暗黒の地」だ。裏切る方も裏切られる方も神を見失っている。

     救いがない。だが、救いは救いのない場所に訪れる。そうでなければ救いではない。光の届かない場所に、救いはやって来る。私はそう信じる。

    暗やみの中に歩んでいた民は大いなる光を見た。暗黒の地に住んでいた人々の上に光が照った。

    ひとりのみどりごがわれわれのために生れた、ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。

    久居新生教会 牧師 霤朕心鄂